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AECの基本と、それが会議室システムにとって重要である理由を説明します。

対象製品

  • ControlSpace Designer
  • ControlSpace EX-1280C
  • ControlSpace EX-440C
  • ControlSpace EX-12AEC

 

AECの基本

アコースティックエコーキャンセレーション(AEC)は、電話会議でNear End の話者の声のエコーがNear Endの参加者に聞こえるのを防ぎます。電話や電話会議には、Near EndとFar Endがあります。Near Endがユーザー側、Far Endが通話での相手側になります。双方には、少なくともマイク1台とスピーカー1台が設置されています。

Near End側が話すと、マイクが声を拾い、Far Endに送信します。Far End側ではスピーカーを通して声が聞こえます。

 

Far End側が話すと、Far End側のマイクとNear End側のスピーカーにより、Far End側の話が聞こえます。

どちらかの部屋のマイクだけがオンになっていれば問題はおきませんが、これは半二重通信と呼ばれ、快適なコミュニケーションではありません。各参加者のマイクは、別の参加者が話している間はミュートされているため、Near End側が話しているときにFar End側の声を聞くことはできません。また相手が話している間はマイクがミュートされるため、途中でコメントしたい場合や確認したい場合に、相手が話し終わるまでFar End側に通信する手段がありません。このため、半二重通信による会議は実用的とは言えません。

一方、双方のマイクが同時にオン(全二重通信)になると問題が発生します。Far End側が話始めると、Far End側のマイクによりFar End側の話し手が拾われ、Near End側のスピーカーに送信されます。その後、Near End側のスピーカー音声がNear End側のマイクに拾われ、Far End側のスピーカーに送信されます。一見、問題ないようですが、アナログ回線を使用した電話の往復のレイテンシーは通常、80から100ミリ秒です。VoIP通話ではそのレイテンシーはさらに大きく、ビデオ会議のレイテンシーは1秒以上になることもあります。その結果、Far End側の話し手は話すたびに常に自分の声のエコーを聞くことになり、このエコーによって通信はほぼ不可能になります。

 

音声信号は反転させた信号と合わせることで打ち消されます。これを利用して、マイクで収音されるスピーカーからの音声を除去することができます。スピーカーから発せられる音声は部屋の中で複数回反射され、これらの反射音がマイクに別々のタイミングで到達します。また、それぞれの反射音は、部屋の中のさまざまな面や物体により異なる周波数を吸収されるため、元の信号と異なる音になるため、マイクで収音されるスピーカからの音はスピーカから出力される音とはまったく異なる信号になります。

 

マイク信号からスピーカー音声を除去するには、まずAECアルゴリズムで、スピーカー音声がマイクに到達した際の聞こえ方を検出する必要があります。AECアルゴリズムでは、マイク音声とスピーカーに送られた音声を比較し、ルームインパルス応答を生成します。この室内インパルス応答が、マイク信号からスピーカー音声を除去するのに使用されるフィルターになります。

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